火災保険保険金に税金は掛かるのか?

「火災保険を使って受け取った保険金に税金はかかるのだろうか?」

確定申告の時期が近づくと、このような疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

保険金はマイナスになった収支を元の状態に戻すためのものなので、保険金に税金がかかってしまうとトータルの収支はマイナスになってしまいます。

そのため保険金は原則非課税となっていますが、実は保険金受取人(記名被保険者)が誰かによって課税・非課税の判断が分かれるので注意が必要です。
この記事では火災保険の保険金に対して税金がかかるどうかを、保険金受取人(記名被保険者)のタイプごとに分けて解説します。

火災保険の保険金に税金はかかる?まずは受取人をチェック

記事冒頭で「火災保険の保険金に税金がかかるかは記名被保険者が誰かによる」とお伝えしました。
火災保険における記名被保険者とは保険金を受け取る人のことであり、個人(もしくは個人事業主)か法人かによって税金の考え方が異なります。ここからは保険金を受け取る人が個人・個人事業主・法人の場合に分けて、税金の支払いが必要かどうかをご説明します。

受取人(記名被保険者)が「個人」の場合は非課税

火災保険金の受取人が個人の場合、受け取った保険金に対して税金を支払う必要はありません。(所得税法9条1項17号)
保険金とは実際に被った損害を埋め合わせるためのお金であり、受け取った保険金から税金が引くと収支がマイナスになってしまうため、個人の保険金に対しては税金は発生しないのです。ただし保険金受取人(記名被保険者)が亡くなってしまい、法定相続人が保険金を受け取る場合には別途相続税が発生するので注意しましょう。

受取人(記名被保険者)が「個人事業主」の場合は用途による

建物什器等に対する保険金
非課税
商品等に対する保険金
事業所得(課税対象)
休業に対する保険金
事業所得(課税対象)

火災保険金の受取人が個人事業主の場合は、保険金の用途によって課税・非課税が分かれます。建物や設備(什器)に対する保険金は、個人の所得税と同様に非課税です。しかし燃えてしまった商品に対する保険金や休業に対する保険金は、事業所得とみなされるため課税対象になります。

受取人(記名被保険者)が「法人」の場合は課税対象

保険金の受取人が法人の場合は、受け取った保険金に対して税金が発生します。
保険金が非課税になるという規定は所得税法特有のものであり、法人税にこのような規定は存在しないからです。
ただし保険金を使って代替設備を購入した場合には、取得した設備について圧縮記帳という処理を行うことにより、一時的に保険金による利益を次年度以降に繰り延べて税金を減らす方法もあります。

まとめ

この記事では火災保険の保険金を受け取った場合の税金がどうなるのか、個人(もしくは個人事業主)と法人に分けて解説しました。

保険金とは本来マイナスになってしまった収支を元の状態に戻すためのものなので非課税ですが、法人の場合や個人事業主が商品や休業に対する保険金を受け取った場合は課税対象になります。火災保険の保険金を受け取った個人事業主・法人の担当者の方は、確定申告時に正しく申告するようにしましょう。